バイラルマーケティングとは、「既存顧客を通じて間接的に商品を訴求する販促手法」だ。最近では、YouTubeの映像で世界中の関心を高める、一種の競争のような状態にもなっている。当然、それってやらせの広告ではないのかという疑惑も起きる。
今回のWii Fit映像をバイラルマーケティング問題として大きく取り上げたのは英国の高級紙テレグラフの「Wii Fit underwear girl: A marketing hoax? (下着のWii Fitの女性だけど、これって広告用の冗談じゃないのか?)」の記事だった。
今回の話でバイラルマーケティングの疑念を強くしたのは、作成したGutierrezさんがTinsley Full Service Advertising社のインタラクティブ・メディアのディレクターだったことだ。さらにガールフレンドとされている女性も同社の社員らしい。つまり、素人映像ではなくプロの作品だったことは間違いない。しかも、YouTubeに投稿者の名前は「tinsleyadvertising」と同広告社の名前になっている。それだけでも同社の広告的な意味合いは強い。
困ったのは任天堂のほうだ。テレグラフの記事にもあるが、任天堂ではこれをバイラルマーケティングとして関与したことは100%ないと言明している。むしろ、YouTubeで騒ぎになってから任天堂も気が付いたようだ。ある意味で、バイラルマーケティングは企業にとっても諸刃の剣となりかねない時代になった。
「ケータイの電磁波でポップコーンができる? YouTubeの冗談映像」について、米国Cardo Systemsは後からバイラルマーケティング用の映像であることを種明かしした「Only in the Movies」のWebページ。400万人も見てくれてありがとうとも書かれている。バイラルマーケティング用の映像のあり方としてこれでよいのか問われる事態にもなった。