2008年6月21日土曜日

ネットを使ってマラソン大会気分が楽しめるNike+に人気が高まる

 iPodとNikeシューズを使ったランニングがWebで結びつくNike+(ナイキプラス)に人気が集まってきている。これまで情報や知識を扱うものと見られてた、Web2.0やウィキノミクス(情報をネットで公開・共有社会現象)が、ついに個人の身体活動にまで及ぶようになってきた。さらにGoogleもこの身体的Web2.0世界に参戦。健康管理をクラウドコンピューティング(各種の処理をインターネットの遠隔コンピュータで実行すること)にしてしまった。この先にあるのは医療分野のWeb革命だろう。

 5月19日から6月30日まで、Yahoo!JAPANとNikeがコラボの「Nike+ RUN CARNIVAL 2008」が、Yahooの特設ポータルで実現される。一目見た感じでは、通常のYahooのポータルをNikeの広告でデザインしたような印象だが、ポイントは、iPodとNikeシューズを使ったランニングがWebで結びつくNike+の情報の提供だ。もちろん広告目的のサイトでもあるけど、単なる広告だけではなくNike+を活用するための各種情報が日々更新されていくところが楽しい。

 Nike+を知らない人もいるかもしれないので簡単に使い方を紹介しよう。行うことは通常のランニングに近いし、iPodを聞きながらランニングしているように見える。だが準備が違う。Nike+iPodスポーツキットと呼ばれる装置を、NikeシューズとiPodの双方に装着する。これでランニングをするとその活動がすべてiPodに記録され、そしてさらにiTunesを介してNike+の専用サイトに送信され、日々のランニング情報が管理できるようになる。具体的には、Nikeシューズにランニングを計測する500円玉サイズの送信機をセットし、iPod側にシューズから送信されるランニング情報を受信するためのレシーバーを装着する。

 あとは走るだけ?いえいえ、iPodだから好きな音楽を聴きながら走るのだけど、携帯性にすぐれたiPod Nano側には、最初からNike+iPodという専用メニューがあり、そこでランニングのための走行時間や距離をセットしておく。すると、ランニングで音楽を聞いている途中で人間の声で「あと2キロです」といった音声ガイダンスが流れる。またランニング中にiPod Nanoのセンターボタンを押すと現在の走行速度や距離などを同じく音声で教えてくれる。

 あらかじめ無料のメンバー登録が済んでいるなら、ランニングが終了し、iPodをiTunesに接続すると、iPodに蓄積されたランニング情報が、iTunesを経由して、Nike+の専用サイトに自動的に送信され、そこで日々のランニング情報が管理できる。

 個人のランニング記録が管理できるだけではない。初心者から上級者まで指導を含めたランニングスケジュールがWeb上で組み立てられるし、各種のランニングのチャレンジを他のメンバーと共有することもできる。そこが、従来のランニング管理を超えたWeb2.0やウィキノミクスだ。このイメージをごく比喩的に言うなら、東京マラソンみたいな大きなマラソン大会がネット上で仮想に実現できることになる。すでにNike側が設定したいくつかのチャレンジに挑戦するとその認証も貰えるし、そうした結果や毎日のランニングをブログで公開する人も増えてきている。


Nike+ RUN CARNIVAL 2008では、広告や通常のポータル機能に加えて、Nike+iPodの最新情報や活用している人たちの話が読める。企業側からの公式情報ではわからない、コンシューマーベースの情報がうまく組織されている。